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春の声を聞くと、ゆるむ夜気に星も潤む。夜空を仰いで、無限と悠久にわが身の卑小を思えば、逆におおらかな気分がわいてくる。〈好きなもの イチゴ珈琲(コーヒー)花美人 懐手(ふところで)して宇宙見物〉と言ったのは物理学の寺田寅彦。俗世と天空のはざまに自らを置き、悠々たる構えである。
天文をめぐる話題も想像をかきたててくれる。先ごろは、太陽系のさいはてに未知の「惑星X」が存在する可能性が報じられた。地球とほぼ同じ大きさで、約1000年をかけて公転しているという。
太陽系の惑星は、一昨年までは「9人きょうだい」だった。だが冥王星が降格になって一つ減っていた。これで元通りと喜ぶのは、しかし気が早いらしい。いまのところは神戸大学の向井正教授らによる理論上の予測で、星の姿が確認されたわけではない。
土星までの六つは古くから知られていた。18世紀、土星の外側に天王星が発見される。その軌道観測をするうち、さらに外を回る惑星の存在が理論的に浮かび上がった。夜空を探して見つかったのが、目下のさいはての海王星である。
その海王星のはるか彼方(かなた)に惑星Xの軌道はあるらしい。一周に要する1000年をさかのぼれば、紫式部が源氏物語を書いたころになる。だがその時間さえ、宇宙では刷毛(はけ)の一払いにも足りない。
わが銀河系だけで、太陽のような恒星が2000億はある。そうした銀河が宇宙に約1000億という。無限感の行きつく果てにたたずめば、「イチゴ珈琲花美人」に幸せを覚える我らが営みは、小ささゆえに限りなくいとおしい。
(翻译见这里)
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